よくある病気
寄生虫や不妊手術等の予防処置、歯石や外耳炎などの日常的な病気から胆泥症、膀胱結石、心臓病など年齢とともに増えてくる病気のことなどを獣医師目線から飼い主様目線まで、様々な面からお話しをしたいと思います。
<寄生虫>
・・・と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか??
大きく分けると体内に寄生するものと体表に寄生するものになりますが、
一般の方に馴染み深いのは体表に寄生するノミやマダニでしょう。
動物を飼っていて今まで見たことない方はラッキーです!
もしくは気を付けて厳重に予防をされているかでしょう。
僕らは仕事上春から秋にかけて、毎月のように遭遇いたします。
自然豊かな土地にいくほどその寄生頻度は高いです。
全身ノミやダニだらけの動物が衰弱して死んでしまった例を何回か見たことがありますが、
なぜここまで飼い主さんが気づかないのかと哀しくなってしまう事も多々あります。
ノミを1匹見つけたら他にもその5~10倍いるとお考えください。
ペットの体にノミを見つけたら家の中にはすでにノミの卵がたくさん落ちているとお考えください。
ぞっとしますよね。。。
一回家に入られたら撲滅はかなり大変です。
まず、動物には当然駆虫薬を使用しますが、
家の中をくまなく掃除し、毛布、敷物、キャリーの類は全て洗います。
特に動物に使用していた毛布など、捨てられるのであれば捨ててください。
そのうえでバルサンのような殺虫成分の煙で家の中隅々まで煙でいぶします。
中途半端な処理をしてしまうとそのシーズンは大丈夫でも、
来年の春あたりに家の中で大発生することがあります。。。
また、寄生虫による飼い主様への影響がここ何年か話題になっています。
テレビでも放送され一番有名なものはSFTS(重症熱性血小減少症候群)です。
マダニによって媒介されたウイルスが原因で、
2013年に初めて国内で報告されてから、
現在までに400症例ほどが報告されています。(2019年現在)
有効な予防・治療法は無く対症療法のみとされ、致死率は6~30%です。
国内でも今までに70名近くの人が亡くなっています。
とにかくダニがいるようなところに行く前に必ず愛犬に駆虫予防薬をつけましょう。
キャンプ、山菜取りなど自然豊かなところに行く場合には特に要注意です!!
犬から人、人から人もあるとのこと、愛犬にはしっかりと予防させてください。
またこれとは別に昨今問題になってるのは耐性ノミの増加です。
今まで主流だった成分は20~30年前に発売されたものですので、
弱りはしても生き残るノミの子孫が増えてきています。
量販店では安くても効かない薬が山ほど置いてあります。
殺鼠剤が効かないスーパーネズミが出てきているのと同様なことがノミにもあるのです。
かわいい愛犬愛猫を守るためにも、
より安心安全な薬を使用して病気は予防に努めましょう!
<外耳炎>
皆さん外耳炎って聞いたことありませんか?
動物病院では最もポピュラーな来院理由です。
耳が痒そうで頭振ってる、耳が赤い、耳が臭い、耳の穴が汚れている、耳に毛玉がある…などなど
飼い主様が気づく症状は色々ありますが、だいたいこんな感じです。
1年中来院されますが春になると一気に増えます。
外耳炎の原因は多岐にわたりますが、現場での印象としてはアレルギーが最も多いです。
そもそもアレルギーが関与している外耳炎は治すの難しいのですが、
下の理由でそれをさらに難しくします。
①先ず、飼い主様が気が付かない事が多く放置されているケース
②次に、病院では大人しい動物が家では暴れてしまうため点耳薬が使えないケース
③そして、経過は良いが治りきらずに再診に来ないで慢性化するケース
1番目はとにかく観察してください。動物の体を見てください。
中には大したこと無さそうだから放っておく人もいらっしゃいますが、
痒みがあるなら尚更その苦しみから解放してあげてください。
痒いって言うのは思ってるより辛いです。
私もアレルギー性鼻炎持ちなのでよくわかります。
精神論根性論では何とかできません!
幸い治療すれば効果は明らかです。
2番目の問題、何かやろうとすると怒る動物はいつも飼い主様を悩ませます。
解決方法は・・・家で出来ないなら通院してください!です。。。
毎日が無理なら1週間に1回でも大丈夫な薬もあります。
1か月位効果が持続する点耳薬も出ていますので、
実質月に1回~2回来院すれば家では何もしなくて大丈夫なわけです。
ただしその分料金はお高めになりますが。。。ご検討ください。
そして3番目、
こればかりは飼い主様の気持ち次第です。
経験上、しっかり再診して治っているか確認しないと後で大変なことになるよーって
ちょっと脅迫じみた説明を言うと皆さん来てくれるのですが、
あまり不安にもさせたくないので私は言いません。
でも再診せずに再発や慢性化のエンドレスになる恐れがある場合には
はっきり言います。(このまま放っておくと手術になってしまいますよ、とか)
でも来院しない人はしないし、来院出来ない方もいらっしゃるのが現実です。
あまり強い言葉は使いたくありません。
今回はあまり学術的な説明では無いですが、皆さん、外耳炎でも油断せず再診は守りましょう!笑
アレルギー
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鼻涙管閉塞
胆泥症
現在工事中 m(__)m